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修善寺での散策や御朱印巡りを計画している方にとって、修善寺の散策・御朱印巡りのマップや、実際に修禅寺などを訪問したレビューは非常に有益な情報です。本記事では、修善寺の歴史や文化的背景をふまえながら、修禅寺と日枝神社を中心とした御朱印スポットを詳しく紹介します。
同じ「しゅぜんじ」と読む漢字表記が「修善寺」と「修禅寺」の2つありますが、これらの違いを正しく理解することで、当地の歴史を理解するだけでなく観光ルートの混乱を避け、より深い体験が可能になります。修禅寺では、通常の御朱印に加えて、切り絵やかわいいデザインの限定御朱印も人気を集めており、御朱印巡りには必須のスポットです。ただし、現在は直書き対応は行っておらず、すべて書置きでの授与となっている点には注意が必要です。御朱印の受付時間も季節によって異なるため、事前の確認が推奨されます。
また、もうひとつの御朱印スポットである修善寺日枝神社では、御朱印は直書きで授与されますが、社務所の開所日が限られているため、訪問前のチェックが欠かせません。さらに、一泊二日するなど時間に余裕があれば、修禅寺奥の院「正覚寺」にも足を延ばしてみてください。ここでは書置きの御朱印が授与され、境内では空海ゆかりの神秘的な雰囲気を味わうことができます。
この記事では、修善寺の散策・御朱印 マップやこれを活用したおすすめルート、筆者が実際に体験した修善寺の散策・御朱印巡りのレビューも交えながら、初めての方でも安心して楽しめる情報をわかりやすくまとめています。修善寺の魅力を余すことなく体験したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 本記事が説明するポイント
- ・修善寺と修禅寺の違いや当地の歴史的背景がわかる
・修禅寺・日枝神社・奥の院で授与される御朱印の種類や特徴がわかる
・散策と御朱印巡りに適した観光ルートや所要時間がわかる
・各御朱印の受付時間や直書き・書置きの対応状況がわかる
修禅寺など基本情報と修善寺の散策・御朱印マップ

まずここでは、修善寺の歴史と文化の魅力、「修善寺」と「修禅寺」の違いの意味、修善寺の観光スポットと御朱印スポット、修善寺の散策・御朱印マップとおすすめルートについて解説し、修禅寺や日枝神社などの御朱印スポットやその他の観光スポットに関する基本情報について理解を深め、あわせて修善寺の観光や御朱印巡りに役立つ散策・御朱印マップを紹介します。
伊豆 修禅寺: 公式サイト
修善寺の歴史と文化の魅力
修善寺は、静岡県伊豆市に位置する歴史ある温泉地であり、古くから文化と信仰が息づく場所としても知られています。特に注目すべきは、807年に弘法大師・空海によって開かれ、修善寺の文化と信仰の中心的な役割を担う修禅寺の存在です。
また、この修善寺地域の歴史的な魅力は、源氏の悲劇や禅宗の発展といった日本史の重要な場面と深く関わっている点にあります。例えば、鎌倉時代には鎌倉幕府の第2代将軍 源頼家が北条氏一派により幽閉され、命を落とした場所としても知られており、修善寺の地にはその痕跡が今も残されています。
また、修善寺温泉街には、修禅寺を中心に「独鈷の湯」や「指月殿」など、歴史的な建造物や伝説に彩られたスポットが点在しています。これらの場所を巡ることで、訪れる人は自然と修善寺の歴史と文化に触れることができるのです。
ただし、歴史的な背景を理解せずに訪れると、単なる観光地としてしか見えない可能性もあります。事前に簡単な歴史を知っておくことで、より深い体験が得られるでしょう。
「修善寺」と「修禅寺」の違いを解説

「修善寺(しゅぜんじ)」と「修禅寺(しゅぜんじ)」は、読み方が同じであるため混同されがちですが、実際には意味が異なります。ここではその違いを明確にしておきましょう。
まず、「修善寺」は地名を指します。伊豆市にある温泉地全体の名称であり、観光地としてのエリアを表しています。一方で、「修禅寺」は、その地にある曹洞宗の禅寺の名称です。つまり、修善寺という町の中に修禅寺というお寺がある、という関係になります。
このように言うと簡単に思えるかもしれませんが、実際には観光案内や地図などでも混在して表記されていることがあり、初めて訪れる人にとっては混乱のもとになりやすいです。
また、修禅寺はもともと空海により真言宗の寺院として創建されましたが、鎌倉時代に禅宗へと改宗されたため、現在の「禅」の字に改められたという説もあります。
観光や御朱印巡りの際には、地名としての「修善寺」と寺院としての「修禅寺」を意識して、これらを適切に使い分けるよう心がけましょう。
修善寺の観光スポットと御朱印スポット
修善寺には、歴史・文化と自然が調和した観光スポットが数多く存在し、御朱印スポットも複数あるため、観光と御朱印巡りを同時に楽しめるエリアとして人気があります。特に、修禅寺を中心に徒歩圏内に見どころや御朱印スポットが集中している点が魅力です。
修禅寺

まず訪れたいのが、修善寺温泉街の中心にある「修禅寺」です。807年に弘法大師・空海によって創建されたと伝えられ、現在は曹洞宗の禅寺として多くの参拝者を迎えています。ご利益は、健康長寿、厄除け、商売繁盛などとされています。
修禅寺の境内での見どころは、平安時代の建築様式を感じる本堂と、手水舎から温泉のお湯が出ている「大師の湯」(空海が発見した温泉)などがあり、併設する宝物館には、岡本綺堂の名作「修禅寺物語」ゆかりの木彫りの面「頼家の面」などが展示されています。後半でも詳しく紹介しますが、修禅寺は御朱印を授与いただける御朱印スポットになります。
日枝神社

次に紹介するのは「日枝神社」です。修禅寺のすぐ隣に位置し、かつては修禅寺の鎮守社として祀られていました。境内には夫婦杉や一位樫といったパワースポットがあり、子宝や縁結びのご利益があるとされています。日枝神社も御朱印を授与いただける御朱印スポットになります。境内の夫婦杉や玉依姫の伝説にちなんだ奉納スポット
独鈷の湯

桂川のほとりにある「独鈷の湯(とっこのゆ)」は、平安時代の807年のこと、親孝行の息子が、病に苦しむ父親をいたわり桂川の水で体を洗っていたところ、通りかかった空海がその姿に胸を打たれ、「川の水では冷たかろう」と親子に声をかけ、手にしていた独鈷(仏具の一種)で川の中の岩を打ち温泉を沸出させた場所で、修善寺温泉のシンボル的な観光スポットとなっています。ただし、独鈷の湯は見学のみ可能で、入浴・足湯ともに禁止となっています。
竹林の小径

修善寺の「竹林の小径」も人気の観光スポットです。桂川沿いに約300メートル続く石畳の遊歩道で、両側に竹林が広がっています。京都嵐山の竹林を連想させる風情ある景観が特徴で、「伊豆の小京都」とも呼ばれています。夜間にはライトアップが行われ、昼間とは異なる幻想的な景観を楽しむことができます。
指月殿

重要な史跡のひとつ「指月殿」は、修善寺で暗殺された我が子の源頼家の冥福を祈って母の北条政子が修禅寺に寄進した経堂です。伊豆最古の木造建築物といわれ、堂内には禅宋式という珍しい様式の「丈六釈迦如来座像」が安置されています。なお、指月殿では御朱印の授与はありません。
修善寺の散策・御朱印マップとおすすめルート

修善寺を効率よく観光して御朱印巡りを楽しむには、上に示すような散策・御朱印マップを活用してルートを事前に計画しておくと便利です。修善寺は、徒歩で回れる範囲に観光スポットや御朱印スポットが集まっているため、一日あれば無理なく楽しむことができます。以下、修善寺を日帰りで観光する際のおすすめルートの具体例を示します。
修善寺の日帰り観光おすすめルート例
- スタート地点は「修善寺駅」です。駅からは東海バスで「修善寺温泉」バス停まで移動し、そこから徒歩で散策を始めます。最初に訪れるのは修禅寺。本堂で参拝し、宝物館を見学した後、御朱印を授与いただきます。
- 次に向かうのは修禅寺の隣の日枝神社。拝殿で参拝した後、境内の夫婦杉や一位樫などのパワースポットを訪ねます。日枝神社も御朱印スポットなので、社務所に立ち寄って御朱印を授与いただきます。
- 続いて10分くらい歩いて指月殿へ移動。ここでは、源頼家や母の北条政子の運命に思いをめぐらせながら「丈六釈迦如来座像」をお参りします。付近にある、源頼家の墓や十三士の墓などもあわせて見学するといいでしょう。
- その後は、5分程あるいて竹林の小径に向かいます。静かな竹林の中をリラックスした気持ちで散策します。竹林の小径を進んで行くと、桂川にかかる「楓橋」に出ます。この朱塗りの橋は温泉街らしい雰囲気を醸し出しています。
- 最後は修禅寺のすぐそばの桂川の川岸にある独鈷の湯を見物します。ここは史跡として訪問し、足湯に入る場合は、すぐそばにある無料の足湯施設「河原湯」がおすすめです。
以上のルートでまわる場合、食事や足湯・日帰り温泉などの時間を入れなければ最短1時間半程度でまわることも可能です。これに食事や足湯・日帰り温泉などの時間を好みに応じてプラスすると、一日観光でちょうどよい内容になるでしょう。
なお、一泊二日する場合には、二日目は、修禅寺奥の院(奥之院)「正覚寺」まで足を延ばすのもおすすめです。公共交通手段がなく、レンタカーやタクシー、またはレンタサイクルでの移動が必要となりますが、弘法大師が修行したとされる「馳籠の窟」など、神秘的な雰囲気が漂うスポットなので、訪ねてみる価値はあります。なお、修禅寺奥の院では御朱印も授与いただけます。
修禅寺 などの御朱印情報と修善寺の散策・御朱印巡りレビュー

続いて、修禅寺で授与いただく御朱印の種類と特徴、修禅寺の「かわいい御朱印」「切り絵御朱印」、修禅寺の御朱印は直書き可能か、受付場所と受付時間について、修禅寺オリジナルの御朱印帳は頒布されているか、といった修禅寺の御朱印情報全般と、日枝神社の御朱印情報、修禅寺奥の院「正覚寺」の御朱印とアクセス情報などのその他の御朱印情報を詳細に解説し、最後に筆者が実際に体験した修善寺の散策・御朱印巡りレビューを紹介します。
修禅寺で授与いただく御朱印の種類と特徴

修禅寺で授与いただける御朱印は、通常版の御朱印が1種類と、季節替わりや特別版などの限定御朱印が複数種類あります。御朱印の冥加料 (値段)は、通常版や限定御朱印の多くは1つ500円ですが、見開きサイズや切り絵の御朱印などは1つ500円~1,000円くらいの設定になります。
通常版の御朱印は、上の写真の左側にあるように、右端に墨書きで「奉拝 修禅寺」の文字と「鎌倉幕府二代将軍 源頼家ゆかりの寺」の朱印、左端に墨書きで参拝日「年月日」と「福知山 修禅寺」の朱印、そして中央に墨書きでご本尊「大日如来」の文字と大日如来の印が入ったデザインとなります。
限定御朱印については多種多様なデザインの御朱印が頒布されていますが、例えば上の写真の右側は、修善寺の観光スポットである「竹林の小径」や干支をモチーフにした水彩画風の御朱印で、アート作品のような美しさが特徴です。そのほかの多くの限定御朱印についても、水彩画風、切り絵風、水墨画風など、美しいイラストが描かれている点が特徴となります。
修禅寺の「かわいい御朱印」「切り絵御朱印」
修禅寺では、上でも紹介したように、通常版の御朱印のような伝統的なデザインの御朱印に加えて、アート作品のような美しさが特徴の多くの種類の限定御朱印が頒布されています。こうした理由から、修禅寺の御朱印は「かわいい御朱印」として多くの御朱印ファンから評価され、人気が高いのです。
また修禅寺では、和紙を繊細にカットして作った本格的な「切り絵御朱印」が頒布されることもあり人気があります。ただし、切り絵御朱印は人気があるのに対して数量限定で頒布されるため、参拝したときには在庫が無くなってしまうこともあります。確実に手に入れたい場合は、修禅寺の公式サイトで確認して、頒布が開始されたら早めに訪問するのがおすすめです。
修禅寺の御朱印は直書き可能?受付場所と受付時間は?

修禅寺では、以前は通常版の御朱印については持参した御朱印帳への直書きでの記帳が可能でしたが、現在は、限定御朱印はもちろんのこと、通常版の御朱印についても直書きの対応はできず、全て書置きでの授与となっています。
修禅寺で御朱印を授与いただく受付場所は、本堂に向かって右側にある建物(宝物館の隣)にある寺務所となります。御朱印の受付時間は、4月〜9月が8:30から16:30まで、10月〜3月が8:30から16:00までです。
修禅寺オリジナルの御朱印帳は?
修禅寺の寺務所では複数種類の御朱印帳が頒布されていますが、現時点では修禅寺オリジナルの御朱印帳は頒布されていません。しかし将来的には、修禅寺オリジナルの御朱印帳が頒布される可能性が無いとは言えません。アート作品のような美しい限定御朱印が頒布されているのですから、もしオリジナル御朱印帳が出来たとすると、切り絵のような美しい表紙の御朱印帳になるのかもしれません。気になる方は、修禅寺の公式サイトでチェックしてみてください。
日枝神社の御朱印情報

日枝神社で授与いただける御朱印は、上の写真のような1種類の御朱印となります。右端に墨書きで「奉拝」、左端に墨書きで参拝日「年月日」、中央の上には「伊豆修善寺 日枝神社」の文字の朱判とその下に大きな神社印の朱印が入ったデザインです。授与方法は持参した御朱印帳への直書きでの記帳が可能で、初穂料(値段)は1つ300円です。御朱印帳の頒布はありません。
日枝神社の御朱印の受付場所は、境内にある社務所で、御朱印その他の授与品の受付時間は、10:00から16:00までとなっています。ただし、日枝神社の社務所の開所日は週に4日ほどと限られており、常時開いているわけではないので、訪問前に伊豆市観光協会などで開所日を確認しておくことが重要です。運が良ければ、数量限定の「一願成就お守り」も一緒に授かることができます。
修禅寺奥の院「正覚寺」の御朱印とアクセス情報

修禅寺奥の院(奥之印)「正覚寺」で授与いただける御朱印は、上の写真のような1種類の御朱印となります。右端に墨書きの梵字と「弘法大師降魔道場」の朱判、左端に墨書きで参拝日「年月日」と「豆州修禅寺」の朱判、中央には墨書きで「奥之院」と大日如来の朱印が入ったデザインです。授与方法は書置きのみの対応で、御朱印の冥加料 (値段)は1つ500円です。御朱印帳の頒布はありません。
修禅寺奥の院の御朱印の受付場所は、奥の院の本堂となりますが、御朱印の受付時間は定まっていません。なお、奥の院の本堂に住職が不在の場合には、修禅寺の寺務所にて修禅寺奥の院の御朱印を授与いただくことも可能です。修禅寺の寺務所にて授与いただく場合も、書置きのみの対応で、冥加料 (値段)は1つ500円です。
修禅寺奥の院(奥之印)「正覚寺」へのアクセスですが、修禅寺奥の院は修善寺温泉街から約5km西に位置しており、路線バスなどの公共交通手段がありません。修善寺温泉街から徒歩なら片道1時間以上かかりますので大変です。車やレンタサイクルの利用が現実的です。例えば、自転車なら修善寺温泉街から片道30分程度なので、天気のいい日にはサイクリングを楽しみながら訪問することが可能です。
修善寺の散策・御朱印巡りレビュー

筆者は紅葉の時期に東京から日帰りで修善寺を日帰り旅行して、修善寺での散策・御朱印巡りを体験しましたので、そのレビューを簡単にご紹介します。
路線バスで修善寺温泉へ
東京を9時頃に出発して、修善寺には11時過ぎに到着。修善寺駅前から「修善寺温泉行」の路線バスに乗車しました。修善寺温泉に停まるバスの路線は、「修善寺温泉行」のほか、「修善寺虹の郷行」や「河津駅行」など複数あるようですので、乗車前に運転手さんに確認してみるといいでしょう。運賃260円は現金のほか、スイカやパスもなどの交通系ICカードも使えますので便利です。
乗車して10分ほどで修善寺温泉のバス停に到着。修善寺駅方面に戻るバスも同じバス停から発車しますので、帰りもここに戻ってくればOKです。時間帯にもよりますが、日中は1時間に4本ほど運行しているので、長時間の待ち時間は発生しなさそうでした。
修善寺は見どころが集まっている

修善寺温泉のバス停の前の道を西方面に進むと両側にお土産物店などが並ぶ賑やかな通りになっています。お店をのぞきながら進むと「日枝神社」があり、そのすぐ先には「修禅寺」と、バス停からのアクセスは非常に便利でした。バス停から修禅寺までは約200mで徒歩5分くらいでした。
更に修善寺での見どころである「独鈷の湯」、「指月殿」、桂川にかかる渡月橋や虎渓谷橋など赤い欄干の綺麗な橋、日帰り温泉の「筥湯」、「竹林の小径」などは修禅寺を中心にいずれも徒歩5分内です。やや遠い観光スポットと言えば「源範頼の墓」ですが、それでも修禅寺から600mと徒歩10分あれば行けます。
昼食は名物の「修善寺そば」がおすすめ

修善寺温泉のバス停に着いたのがAM11:30頃だったので、混雑する前に早めの昼食としました。一旦、修禅寺前の虎渓橋を渡って桂川の対岸へ。修善寺の風景といえば、この赤い欄干の橋と桂川ですよね。今回は紅葉の季節に来たので感動的な風景を見ることができました。

修善寺の名物「修善寺そば」を食べようと思っていたので、当地で人気のお店「四季紙」さんで“天ざる”を頂きました。天ざるのお味もなかなかでしたが、レトロな旅館風の店内もなかなか趣があって、修善寺の気分をたっぷり味わうことのできるランチタイムとなりました。ちなみに、「四季紙」さん以外にも雰囲気の良さそうなお蕎麦屋さんはたくさんありました。
修禅寺と日枝神社を参拝

お腹も一杯になったので散策と御朱印巡りをスタート。まずは修禅寺です。ここは807年に空海が創建した古いお寺。空海ですから、もともとは真言宗のお寺でしたが、鎌倉時代に禅宗の1つである曹洞宗に改宗したことにより、「善」の字を禅宗の「禅」に改めて今日に至るという説もあるそうです。
しかし、名前を「修禅寺」に改めてからは、源範頼や源頼家がここに幽閉されて修善寺の地で殺害されるなど、悲しい歴史が立て続けに起こるというドラマに満ちた場所でもあります。そんな歴史に思いを巡らせながら山門をくぐると、境内や本堂は想像していたよりもこじんまりしていました。

手水舎を見ると温泉のお湯が出ているのは驚きでした。修善寺温泉を最初に発見したのが空海だったから、この手水舎のお湯は「大師の湯」だそうです。ありがたいことに、このお湯は飲むこともできるので、一口飲んでみました。
本堂での参拝を済ませた後、本堂横の寺務所で御朱印を授かりました。そのあと、宝物殿に行って展示物を見学しました。宝物殿の入場チケット(300円)は寺務所で購入できます。

続いて日枝神社へ移動。日枝神社は修禅寺の境内の横に隣接しているのですが、直接通り抜けることができなくなっており、かなり遠回りになりますが、一旦、修禅寺の正面の道路に出てからバス停側に少し戻って日枝神社の正面入口の鳥居のとこから入ります。神仏分離前は修禅寺の境内社「山王院」であったものが明治以降に日枝神社として独立したのだとか。源範頼が幽閉されていた信功院という建物は、今の日枝神社の境内にあったそうです。ただし、信功院は現存せず石碑のみが建っていました。

日枝神社の境内には「夫婦杉(子宝の杉)」と言って、根本が一つで上は二股に分かれている不思議な杉の木があります。これが夫婦円満と子宝のパワースポットとなっており、現在の日枝神社の人気の所以でもあります。とくに若いご夫婦で参拝される方々が多かったように思います。社務所で直書きの御朱印をいただき次のスポットへ移動します。
空海の神秘パワーを感じる独鈷の湯

続いて、桂川のほとりにある「独鈷の湯」へ移動。平安時代の807年にここで空海が温泉を沸出させた神秘パワーを感じる史跡です。ちなみに、修善寺の町のあちこちには空海を顕彰する石碑や石像などがあります。修善寺温泉全体が空海のパワーで満たされているような、そんな感じがしないでもなかったです。現在、独鈷の湯は入浴・足湯ともに禁止なので、ここは見学だけで次へ移動しました。
指月院から竹林の小径を通って源範頼の墓へ

独鈷の湯から戻り虎渓橋を渡ってやや奥の入り組んだ路地に入っていきますと指月殿があります。暗殺された我が子の頼家の供養のため、母の政子が修禅寺に寄進した経堂です。堂内には「丈六釈迦如来座像」が安置されていました。釈迦如来像は見事なものでしたが、建物は質素な造りのお堂であり、このような隠れた静かな場所に造るというのが悲しい事件を物語っているような気がしました。
指月殿をお参りして、次は源範頼の墓に移動です。ちょっと距離がありますが、とはいえ徒歩10分くらいです。途中、「竹林の小径」を通っていきました。その名の通り竹林です。落ち着いた雰囲気の竹林でした。写真撮影には面白い場所だと思います。

竹林の小径の突き当りを右に曲がって楓橋を渡り、桂川に沿って左に進みます。途中に「しゅぜんじ回廊」という美術ギャラリーがあります。入場無料なので興味のある方は立ち寄ってみてもいいと思います。

「しゅぜんじ回廊」を過ぎてずっと進んで突き当りの大きな道を右手に進み、細い路地に入って小高い丘に登って行くと源範頼の墓があります。源範頼は、兄の源頼朝に謀反の疑いをかけられ、伊豆国に流された後、何者かに殺害されたとされています。ここも悲しい歴史を伝えるひっそりとした場所でした。私のほかにもお参りに来る人がチラホラいるみたいでした。

源範頼の墓をお参りしたあとは、近くにあるカフェ「芙蓉」に入って一休みしました。古民家を使った雰囲気のいい茶庵です。お菓子付きの抹茶をいただきました。部屋から見たお庭の景色も落ち着いて風情がありました。
最後の締めは日帰り温泉「筥湯」

そうこうしているうちに時間も午後3時半になろうとしていましたので、最後の締めとなる日帰り温泉「筥湯」に向かうことに。修禅寺前の虎渓橋よりも1つバス停側にある渡月橋を渡ったあたりに筥湯はあります。「仰空楼(ぎょうくうろう)」という展望楼が目印です。源範頼の墓からは徒歩10分ちょっとです。
この筥湯の由来ですが、源頼家は「筥湯」という名の温泉に入浴していた時に刺客に襲われたのだとか。現「筥湯」の近くでその当時の筥湯の跡らしき遺構が発見されたのだそうです。なるほど歴史的な意味では感慨深いですが、いわくつきのお風呂ということは落ち着いて入浴できなさそうな。
入浴料700円とリーズナブル。中はそれほど広くないですが、ヒノキ造りのお風呂でいいお湯でした。お湯につかると、さっきの由来の話はすっかり忘れてリラックスできますので、ご安心ください。入浴後に展望楼「仰空楼」(入場無料)に登ってみました。修善寺温泉の町が一望できて眺めは良かったです。
筥湯から出て修善寺温泉のバス停に戻り、路線バスに乗車して修善寺駅に着いたのが午後5時過ぎでした。現地6時間ほどの滞在になりました。東京には午後8時過ぎに到着して、時間的にもちょうどよい日帰り旅行でした。
まとめ:修善寺散策と修禅寺など御朱印巡りを楽しむマップとレビュー

本記事の内容をまとめると次のとおりです。
- 修善寺は伊豆市にある歴史ある温泉地で、お寺の修禅寺を中心に観光スポットが集まっている
- 修禅寺は807年に空海が創建した曹洞宗の禅寺で、源頼家ゆかりの地としても知られる
- 「修善寺」は地名、「修禅寺」は寺院名であり、混同しやすいため注意が必要
- 修禅寺では通常版と限定デザインの御朱印があり、デザイン性の高いものが多い
- 限定御朱印には切り絵や水彩画風などがあり、アート作品のような美しさが特徴
- 修禅寺の御朱印はすべて書置き対応で、直書きは行っていない
- 修禅寺の御朱印の受付場所は寺務所で、季節により受付時間が異なる
- 修禅寺オリジナルの御朱印帳は現在頒布されていない
- 日枝神社では直書きの御朱印が授与され、初穂料は300円
- 日枝神社の社務所は週4日ほどの開所で、訪問前の事前確認がおすすめ
- 修禅寺奥の院「正覚寺」でも御朱印が授与され、書置きのみ対応
- 奥の院は修善寺温泉街から約5km離れており、車やレンタサイクルでのアクセスが現実的
- 修善寺の散策ルートは、一例として修禅寺→日枝神社→指月殿→竹林の小径→独鈷の湯などが効率的
- 修善寺の観光スポットは徒歩圏内に集中しており、日帰りでも十分楽しめる
- 修善寺温泉街では「修善寺そば」などの名物グルメも楽しめる